注文住宅の完成。いよいよマイホームの引き渡しを迎える——その瞬間は、家づくりの“ゴール”であると同時に、“不具合を見つけられる最後のチャンス”でもあります。
とくに年収400万円台で予算に余裕がない家庭では、「後から修正にお金がかかる」事態は何としても避けたいところ。施工ミスや仕様の食い違いに気づかず引き渡してしまえば、修正のために余計な費用と労力をかけることにもなりかねません。
この記事では、注文住宅の引き渡し直前に必ず確認すべきポイントを15項目にまとめ、後悔のない受け取りのためのチェックリストを提供します。
1. チェックは“契約書と照らし合わせる”のが鉄則
どんなに現場が丁寧に仕上がっていても、チェックの基準になるのは「契約書(図面・仕様書)」です。
- 間取りや寸法:図面と実際の広さ、窓の位置、高さなどが一致しているか?
- 内装や設備仕様:壁紙の色・床材・キッチンやトイレの型番・メーカーに間違いがないか?
- コンセント・照明:設置場所・数が希望通りか?高さや向きにも注目
▶ チェック当日は「契約書・打ち合わせ資料・スマホ(撮影用)」の3点セットが必須です。
細かい部分も記録に残しておくと、後日の確認・交渉に役立ちます。
2. 現場で確認すべき主要15項目
以下の15項目をカテゴリ別に整理し、チェック漏れが起きにくいようにしました。
【🔧 内装・仕上がり系】
- ✅ 壁紙の状態:浮き・はがれ・しわ・汚れがないか?
- ✅ フローリング:キズ・段差・床鳴りの有無
- ✅ ドア・建具:開閉がスムーズか?ラッチや鍵の動作に異常は?
【🚿 水回り・設備系】
- ✅ 水道の動作:キッチン・洗面台・トイレの水が正常に流れるか?漏水がないか?
- ✅ シャワー確認:湯温調整・水圧の異常がないか?
- ✅ 換気設備:レンジフードや浴室乾燥機が正常に動作するか?
【💡 電気・通信系】
- ✅ 照明の確認:全てのスイッチと照明が点灯するか?スイッチの位置は直感的か?
- ✅ コンセント:設置場所・数・通電状況。冷蔵庫や洗濯機の予定位置は特に要注意
- ✅ TV・LAN・インターホン:端子の位置・作動・モニターの映像など
【🚪 建物外周・構造系】
- ✅ 玄関・窓まわり:鍵の動作、サッシの開閉のスムーズさ、防犯性の確認
- ✅ 外壁・屋根:目視でヒビ、汚れ、塗装ムラがないか?
- ✅ ベランダ・外構:勾配が正しく取られているか(雨水が溜まらないか)
【📦 備品・付属品系】
- ✅ オプション品:網戸・手すり・棚などの設置ミス・漏れがないか?
- ✅ 火災報知器・設備書類:設置義務のある機器がそろっているか?取扱説明書・保証書が渡されているか?
▶ チェック中に気づいた点は、写真に残して「指摘リスト」として書面でまとめましょう。口頭だけでは後々の対応が曖昧になる可能性があります。
3. 施主検査でのNG行動と注意点
初めての家づくりでは、どうしても緊張して流してしまうポイントも出てきます。
以下は実際にありがちな「やってしまいがち」なNG例です。
- ❌ 図面を持たずに“なんとなく”でチェックする → 正確な確認ができない
- ❌ 遠慮して「まあいいか」で済ませてしまう → 後から後悔するパターン
- ❌ その場で指摘せず、後から連絡しようとする → 工務店が忘れてしまう/対応しないケースも
- ❌ “使っていないから問題ない”と動作確認を省く → 実際に住んでから発覚しがち
▶ 家族と複数人で確認する、役割分担してチェックするのもおすすめです。
4. まとめ|“今しかできないチェック”を逃すな
引き渡し前の施主チェックは、あとあと数十万円単位の差になることもある大切な工程です。
「完成したからといって安心しない」「生活を始めてから困ることがないように」——そうした気持ちで臨むことが、納得のマイホームへの第一歩です。
👉 不具合は“完成後の無料対応”で直してもらえる期間もありますが、最初のチェックで指摘しておく方がスムーズ。
👉 チェックリストを活用して、「うっかり見落とし」をなくしましょう。
👉 念のため、引き渡し後1か月・3か月点検の内容や連絡先も事前に聞いておくと安心です。